夫です。
台湾の食べ物ってはっきり言って、全部うまくて、その辺の食堂もすべて、食べログ4.0以上レベル。その中でも特に印象に残ったのが、今回紹介する『台中肉員』という肉員(バーワン)屋さん。台中駅から歩いて5分ぐらい。
バーワンとはゼラチン状の生地で豚の肉団子を包んだもので、肉まんや小籠包に似ているようでいて、味、食感とも全く違い、一口食べるとやみつきになってしまう。千と千尋の神隠しでお父さんが食いまくってたやつだ。
このお店はそんなバーワンの老舗中の老舗で、創業80年、バーワン食べるならここしかない。
メニューは三種類のみ。バーワンとスープ二種があるけどあくまでバーワンが主役だ。
余計なものは一切ない、バーワンを食って帰るための場である。オーダーもいちいち聞かない。席に着くと店員がバーワンを持ってくる。当たり前だ、みんなバーワンを食べに来ているんだから。
二個目が欲しくなっても、手を挙げたり、ましてや「すいませーん」と呼ばなくてもいい。店員が目を光らせていて、欲しそうな人には持って来てくれる。
「すごい、欲しいかどうかわかるんですね」
「当たり前よ。こちとら80年、台中っ子の腹を満足させて来てるんでねえ」
そんな自負がみなぎっているかのように、きびきび動く店員さん。客の回転も速い。
みんなバーワン一個か二個もくもくと食べてさっさと出て行く。
これは、ファーストフードにも思えるが、ちがう。江戸っ子にとっての蕎麦のようなもので、台中っ子の粋なスタイルなのだと思う。
座る、バーワン来る、かき込む、帰る、という一連の流れをスマートに行うのが台中のソウルフードのたしなみ方である。あなたも一度トライしてみてはどうだろうか。
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